INTERVIEW

子どもをインターナショナルスクールへ通わせる際に知っておくべきこと

昨今、子どもの英語教育への期待が高まる中で国内のインターナショナルスクールへの入学を検討するご家庭が増えています。

現在、国内の国際バカロレア認定校の数は167校に上ります。平成29年度の103校と比較してもここ数年で増加しており、日本の国際力強化のための教育への需要が高まっていることが伺えます。(参照: 文部科学省IB教育推進コンソーシアム)

そんなインターナショナルスクールですが、当然のことながらメリットとデメリットが存在します。日本の学校とはカリキュラムも文化も大きく異なりますので、違いを理解したうえで子どもを通わせることが重要です。

Speaker Profile

満木夏子

GKCors
Pivot Tokyo 主催。日本からグローバルに挑戦する人を増やすため、GKCorsという英語の幼児教室を運営している。世界最大級のテクノロジーカンファレンス、ウェブサミット日本事務局のレプレゼンタティブも務める。
インターナショナルスクールについて
もともとは、外国人学校という名の通り、日本に在住する外国人の子ども達の為に運営されていました。それがだんだんと国籍、言語等の入学条件が解放されはじめ、より国際化した「インターナショナル・スクール」として、広く知られるようになりました。
2000年には、文部科学省の規定が変わり、大学入学資格検定(大検)においても、かつては受検が認められインターナショナルスクールや外国人学校の卒業者についても受検資格が拡大しました。それに伴い、英語教育への需要が増えたことにより日本国内でもインターナショナルスクールへの入学希望者が増加しました。

ただし、インターナショナルスクールに通わせるにあたり考慮すべき点を見逃している方が多いのも実態です。

もともとインターナショナルスクールは、外国人学校を前身として英語やフランス語など日本語以外を母国語とする子ども達の為に作られた施設であるということです。結果として英語を学ぶことができるメリットはありますが、語学スクールとして機能する場ではなく、英語で学ぶ場所です。
日本のインターナショナルスクールの今
これまでインターナショナルスクールには、在籍する生徒の国籍比率がある程度コントロールされていました。英語が公用語と設定される学校においては、英語を母国語とする生徒がマジョリティーになるように調整されており、学校生活においても英語が共通語として話されていました。そのため、日本人家庭の子ども達も、英語を話さざるを得ないことを強いられ、その中で自然と言語を覚えていく環境がありました。しかし、ここに来てその環境は一変しています。

国内のインターナショナルスクールへ通学させたいと思う日本人家庭が増加したことにより、スクール側も日本人の子ども達をターゲットとするように変化してきました。加えて世界的なパンデミックの影響もあり、在日外国人が減少、英語を母国語をする在籍生徒数が減少しています。

これらの要因から、インターナショナルスクールに通っているのに英語力が伸びないという悩みを抱える両親がが増えている、というのが現状です。
インターナショナルスクールに通っているのに英語が上達しない理由
皆さんが小学校に通い始めたとき、先生が会話する、「皆さん、おはようございます。元気ですか?」「教科書を開いてください」「黒板を見てください」「手を挙げて発言してください」といったことを、言葉としてきちんと理解していたのではないでしょうか。「あいうえお」と聞いても、言語としてちんぷんかんぷんではなかったはずです。これは、誰しも小学校に入学する前から、家庭環境をはじめ日常生活で自然と「日本語」を言語として耳にしていたからです。

コミュニケーション言語の観点において、小学校教育で取り扱う内容や先生と児童の対話は、ゼロからのスタートではなく、土台があるうえでスタートします。しかし、両親が日本人であり、子どもが英語に触れる機会がないままインターナショナル・スクールに入学すると挨拶や先生の簡単な指示すら分からないのです。例えば、自身が習得したことのない言語がやりとりされる環境で、いきなり日本語でやりとりすると同等のビジネスをしろ、と言われても、手も足も出ない状況になる。自分の立場に置き換えてみると、子どもの教育現場においても同じ現象が起きていることは想像に容易いのではないでしょうか。

英語の土台がない中で、授業を受け、それを理解するのは至難の業です。インターナショナルスクールに行けば自然に英語ができるようになる、と話す方も多いですが、決してそうではありません。もちろん、毎日触れるものですからある程度話せるようになります。しかし、言語の習得レベルとして考えた時に、英語を母国語とする子供たちと同じレベルで習得できているかどうかは定期的に確認すべきです。幼少期に英語環境で教育を受けていない両親では、子どもの英語力が果たして年相応かどうか、判断するのは困難です。自分より子どもの方が英語を話せると、ネイティブと同等のレベルで話せていると思いがちです。

また、現在インターナショナルスクールとうたう学校には、在籍する子どもたちのほとんどが日本人というケースも多くあります。クラスの半分以上が英語を母国語とする環境で育った子たちの中にいれば、環境に強いられて自ずと英語を話せるようになるかもしれませんが、日本人同士の子ども達が大半という環境では、日本語で会話してしまいます。デイスクールは、子ども達が1日の大半を過ごす重要な場であり、言語の習得の観点からみても、教育そのものの観点からみても、学校の環境を多角的に検討することが必要です。アフタースクールや塾とは異なるため、子どもに受けさせたい教育を本当の意味で実現できる環境であるかどうかは、しっかりと学校の様子をみて判断されることをおすすめします。
アイデンティティ形成
インターナショナルスクールのメリットとして、国際バカロレアなどのグローバルスタンダードの教育カリキュラムが受けられるというメリットがあります。その反面、日本語や日本の文化、歴史を学ぶ機会は決して多くありません。将来、海外に出る時に、どの出自の人間として出ていくのか。アジア人として、パスポートが日本の人、それとも日本語や日本の文化を理解し、かつグローバルな視点を持った人。多様性(ダイバーシティー)という言葉をよく聞くようになりました。これは違う文化を持つものが互いを認め、尊重しあうという考え方です。グローバル化は、世界にさまざまなものやことが広まり、多くの人が他国の文化にアクセスできるメリットがありますが、裏を返せば世界がフラットで均一になるという意味です。そんな世界の中で、自分を位置づける何かをもっていること、これは強い武器になります。むしろ、フラットになった世界で自分が何者であるかを自覚していなければ、他者からも何者として認められる機会は来ません。日本の文化は、世界的にもユニークなものが沢山あります。それをもって世界に出ていくことはその人のブランドとして、世界に出たときに活かせるポイントなのではないでしょうか。
まとめ
企業や個人のグローバル対応力が求められる中、インターナショナルスクールへの入学需要は今後ますます増えることでしょう。しかし、英語を身に着けるという軸だけを考える場合、インターナショナルスクールが最適とは限りません。またインターナショナルスクールといっても北米式、英国式、フランス、インドなど実に様々なインターナショナルスクールがあります。それぞれに特色があるため、子どもに受けさせたい教育やどのような人物になってほしいかを考え、どの環境が自分の子どもに合っているのかをしっかりと見極めることが大切です。

Writer's Comments

冒頭にも述べましたが、最近スクールへもインターナショナルスクール関連のお問合せがが増えています。どこのスクールが良いのか、入った後のケアはどのようにすればよいのかといったことから多岐に渡りますが、これらは今の親が経験していない教育を受けさせる時代の課題であると思います。自分が経験していないことは、そもそも自分が何を知らないのかがわかりません。ましてや子供にその道を歩ませるのは親として不安もあると思いますが、情報にあまり振り回されず、自分の子どもと向き合い何があっているのかを見てあげることがどの方針を選んでも大切なことではないかと思います。

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