INTERVIEW

GEM x nijito コラボセミナーレポート

昨今、多様性の観点から、政府や企業の取り組みとして掲げられることが増えた女性の社会参画。一見進んだようにも見受けられますが、「働く女性のロールモデルがいない」「結局、女性のキャリアは結婚・出産とともに諦めないといけない」と考える女性は多くいます。

「世の中の頑張る女性が、頑張る女性を応援する」そんな思いから発足した、GEM(Gender Equal Mindset)。今回は、nijitoとのコラボレーション企画として、「女性の悩み解決おせっかいセミナー」を開催しました。

登壇したのは、Vueloo inc の岩瀬とnijitoの鮫島社長。子育てをしながら、女性起業家としても活躍する2人がこれまでのキャリアについて語りました。

Speaker Profile

岩瀬 昌美 |鮫島 貴子

Vueloo, Inc. COO/CMO | 株式会社nijito 代表取締役社長 
岩瀬 昌美
Vueloo, Inc. COO/CMO

米国在住30年。AT&T,KOZMO.COMなどでマルチカルチュラルマーケティングに携わり、2002年に広告代理店 MIW Marketing & Consulting Group , Inc.をLos Angelesで設立し、2012年より米国にて子ども向けクッキングクラスや記事の執筆で食育プロジェクトを推進。2017年日本経済新聞出版社よりできるアメリカ人11の「仕事の習慣」を出版
2019年Vueloo, Inc. COO/CMO就任。近年は本業のマーケティングの講演に加え、働く女性のキャリアアップに関わる講演活動も多数。2児の母。

鮫島 貴子
株式会社nijito 代表取締役社長

福岡出身。大学卒業後は、こども教材の営業に従事。新卒の頃に「自分のためではなく、人のために仕事をする」という考え方を経験から学ぶ。その後、ベンチャー通販企業へ転職。自ら商品をつくり、自ら販売をするというプロセスを経験。30歳で結婚し、35歳の出産を期に、「おせっかいで世の中を変えたい」と思い、株式会社nijito設立し、代表取締役社長に就任。髪をはじめとした女性の悩みを解決する100%天然にこだわったライフケアブランドとして「haru」を立ち上げる。プライベートでは2児の母。
起業のきっかけ:女性起業家への道
起業のきっかけはなんでしたか?
岩瀬:私のキャリアは、高校時代の進路の先生に言われた衝撃の一言から始まりました。
高校生の進路相談の際、先生に「女の子はあまりレベルの高いところには行かない方がいい。高校では男の子の方が伸びるので苦労する。」と言われました。その後、同じ成績の男の子は、自分より2つ位上のレベルの学校に通っていました。私の母は典型的な日本の専業主婦で子育てと家庭を切り盛りすることが生きがいのような人でした。そんな母に感謝をしつつも、自分の何かももって生きていきたいと思っていた私は、日本の大学を卒業した後、渡米。米国では大手やスタートアップで経験しましたが、自分のしたい仕事を続けるために米国で起業し、今年で会社設立20年目になります。一見、華やかなキャリアに見えるかもしれませんが、転職先が倒産するなど困難も多々ありました。

鮫島:もともと「起業したい、社長になりたい」という思いがあって会社を始めたわけではありません。どちらかというと、自身が父子家庭で育ったこともあり、専業主婦の母親像に憧れていました。その夢の実現のため、結婚し、子育てを始めるタイミングで仕事を退職、専業主婦として子育てを始めました。始めてみてびっくりでした。子育ては想像していたよりもずっと大変で、仕事をするより厳しいものでした。当時は、共働きも主流でなく、男性が家事を手伝うという概念もありませんでした。それでも、子育て、家事をこなしながら仕事をするのはとても大変でした。そんななかで、「全てをやる、欲張りに生きる」女性は素晴らしいことだと思うようになりました。「欲張りに生きる」といっても、どうしてもスキンケアなど自分に投資できる時間は物理的に減っていくことも実感していました。そこで、自分がもつマーケティングのスキルを活かしながら、全部を頑張る女性を応援する何かできないか、という思いから、結果起業するという流れになりました。

岩瀬:私とは逆の思いですね。私は幼いことから母に「早く孫の世話をするのが楽しみ」と言われていたので、母の夢を私に押し付けず母にも何か自分の目標を持ってほしいなと思っていました。
好きな仕事を続けるためにも環境選びは重要
悪阻がひどくて会社に迷惑をかけている気がして肩身が狭いのですが、どうしたらよいでしょうか?
鮫島:弊社の売上の大半を持っている社員が妊娠しました。その話を報告する際、彼女は「こんな大事なときにすみません」といったんです。私は、妊娠したというおめでたい報告が何より一番嬉しいと伝えました。でも、これは私が実際に大変さを経験しているからこそ言えたことだと思います。経験していないとなかなかそういった声掛けはできないかもしれません。

岩瀬:産まれる前も気を使うけれど、産んだ後の方がより大変です。産まれる前に居心地が悪い会社は、産まれた後はさらに大変かもしれません。子どもが熱を出したりしたとき、その会社はサポートしてくれるでしょうか。好きな仕事かもしれませんが、環境を変えるべきタイミングかもしれません。会社の仕組みのみならず、上司の対応ひとつとってもかなり違います。
よく、アメリカは男女平等でいいですね、とよく言われるのですが、アメリカは男女平等だから産休という制度がありません。だからこそ同僚や上司の心意気がとても重要です。
1人で抱え込むと心が折れてしまいます。壊れてからでは大変ですから、そうなる前に行動したほうが良いと思います。

鮫島:日本て59日目から預けられます。私は下の子が早産だったのですが、59日目から預けていました。まだ3000g位しかない我が子を預けることは精神的にも辛く、泣きながらやってみました。その時先輩が、「とりあえず3歳まで頑張って。ゴールはあるから」と声をかけてくれました。その後は、3年ごとに子育ての一区切りがくるのでそこを見据えて頑張ってきました。そういう気持ちの持ち方を知っているのも大切かなと思います。

岩瀬:日本人は真面目ですよね。A&T時代に一緒に働いていた中国人は、3歳まで自国で祖父母が子育てしていて、3歳位になってから祖父母と一緒に米国連れ戻していました。「罪悪感はないの?寂しくないの?」と聞いたら、「小さい頃のことなんて覚えてないわよ」、といわれ、罪悪感が薄れたのを覚えています。

鮫島:本当にそうですよね。子育ては一瞬ですよね。この年末、私も息子2人を実家に預けていますが、長男はもう私と会えなくてもさみしい、ということはないみたいです。
趣味やママ友との交流がないワーママはかわいそう?!
子育てワーママが実践する”本当に大事なコトだけをする”過ごし方
仕事と子育ての両立をどうやってやってきましたか?
岩瀬:仕事と子育てをしていると、どうしても他に何かをやる時間はありません。私はいつも「特技は仕事、趣味子育て」というのですが、自分にとって本当に大事なことだけをやってきた様に感じます。子どもを主人に預けてまで会食にもいきたいとも思いませんでしたし、情報収集も夜の会食以外で得られるように工夫していました。

鮫島:私も元々コミュニケーションが得意な方ではないので、当初は効率的にママ友を探した時期もありました。結果、それではうまくいかないのですが、今は直接あわなくても情報だけであればLINEでもやり取りはできますし、やり方を工夫すればできるかなと思います。
それでも、今のママ達は1人で抱え込んでしまう人もあると思います。そんな時は、「ホッと」一息つける1人の時間も意識して作っていくことが重要だと思います。
自分のキャリアプランとメディアや一般論が掲げるものと安易に比較しない
自分のキャリアを人と比べて落ち込みます。どうしたらよいでしょうか?
岩瀬:先日、メディアで紹介されていた記事で「本当は専業主婦になりたい20代の女性達」というものがありました。回答を見ると、年齢があがるほど専業主婦希望者が減っていました。今日本人女性の結婚平均年齢は29.4才。ほとんどの女性が独身。単なる幻想ですよね。それよりも、働き続けると働いていてよかったと思う人が増えているということをメディアはもっと若い女性に紹介してもらいたいです。



もうひとつご紹介します。

これは子どもの成績の見方なのですが、一般的な子どもとアジア系の子どもと分けられていて、一般的には「A=Great (優良)」ですが、アジア系では、「A=Average(当たり前)」とあります。子どもの成績だけでなく、ママとしても常に「A」を目指さないといけないと思っている方は多いのではないでしょうか。Cでも平均、普通なんです。
20代30代でやっておくべきこと
20代、30代でやっておいて良かったことはありますか。
鮫島:「インプットを増やすこと」です。子どもが産まれると、物理的に時間がなくなるので、できる限りやっておいた方がいいと思います。セミナー参加や人と会うことで、知識や人脈を増やすことをやってきて、それを40代で活かしています。(今それを使い切っている感じはあるのでそれは今の悩みですが)
20代の頃には、自己投資としてコーチングをつけていました。それもやっていて良かったことのひとつです。

岩瀬:私も、やってよかったことは沢山ありますし、あのようにしていれば良かったかなと思うこともあります。例えば、私は子どもがいたのであまり出張にはいきませんでした。「もっと出張をしていたら、会社も今より成長していただろうか」と思うこともあります。でも、私はそれをやっていたら子どもの成長は見届けられなかったなと思うのです。自分が何を軸にして生きていきたいのか、を常に考えながらプランニングすることが重要と思います。
40代、50代からのキャリアプラン
40代、50代のキャリアプランをどうお考えですか?
岩瀬:女性のキャリアといったときに、結婚、出産をしていない方もいらっしゃると思います。30年以上ずっと働いてきて、定年が見えてきたときに次のライフステップをどうするか。60歳になったら、20代の時のように朝から晩までは体力的に働けません。40代以降は、フルタイムでなくセーブした時間の中で、ずっと働き続けることができる仕事をするというライフプランを考え、準備していくべき時期だと思います。日本人女性の平均寿命は89才、40代はまだまだ先が長いです。

鮫島:おっしゃるとおり、20~30代はシャカリキになって頑張れる年代。私自身もそうなのですが、40代位になると若い頃のような攻めの気力がなくなるような気がします。そこでのモチベーション維持はなんでしょうか。

岩瀬:私の時代には、女性で子育てしながらバリバリと働いていた人はほとんどおらず、目標としたい人が周りにいませんでした。私のモチベーションの上げ方は、アスリートに似ている気がします。プロスポーツ選手を目指す人は、皆が遊んでいる間にもコツコツとトレーニングしています。それをやっているからこそ、夢や目標が実現します。お金をもらって仕事をしている以上、どんな仕事も「プロ」ですからもっと向上していこうと思いが根底にあると思います。

Writer's Comments

本音で語る女性コミュニティGEMの企画。nijitoさんとのコラボレーションで開催されてました。
次回は2月にリアルでの集会を予定しています。

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