INTERVIEW

Open Interview: クリエイティビティ x グローバル視点から考えるこれからの未来を面白くする方法

Speaker Profile

阿部 光史 (Mitsushi Abe)

株式会社電通 クリエーティブディレクター
神戸市生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒。主な仕事に、アイフル「どうする? アイフル!」CMシリーズ、アニメ「豆しば」CD、家庭教師のトライ、キリン、P&G、ネスレ、コロプラ、Twitter、American Expressなど。安川電機「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」は世界で1700万Viewを突破。Cannes、NYfes、Spikes、Adfest、Epica、文化庁メディア芸術祭、コードアワード、BOVA、Yahoo!インターネットアワード、TCC、ACCなど受賞。電通勤務。現代アートコレクター。趣味は水泳、バイク、電子工作。
今でも同じことを考えてますね。人を感動させたい、心を動かしたい。
クリエイティブディレクターとして、“クリエイティビティ”に目を向けるきっかけとなった出来事はなんでしたか?
電通に入社し、現在はクリエーティブディレクターとしてチームを引っ張る立場にいますが、そもそもそれ以前に何をやっていたのか?というきっかけでいうと、大きなきっかけがひとつあります。
誰しもそうですけど、もともとアニメとか漫画とか、映画とか。僕は銀河鉄道999や宇宙戦艦ヤマトとか、スターウォーズとかが大好きで。それらを観てはいちいち感動していて、自分の心がすごく動いていたんですよね。こういうのを作りたいと思っていた節はあった。
高校の時にアニメを一度作ってみたいなと思って、実際に作ってみたんですよ。AIでコントロールされた兵器が支配する荒廃した世界の中に、なぜかセーラー服をきた女子高生がやってきて、とあるきっかけで変身して、その世界で勝つ、といった3分くらいのものなんですね。そのアニメを上映したところ、観客が笑ったり、驚いたりしてくれて。そして最後に拍手が起きたんですよね。その瞬間が、自分にとっては電撃が走るような経験で。

この時強く思ったのは、人が感動する、動くものを作る側の人間になりたい、と強く思うようになりました。人には笑ったり、泣いたり、人にはいろいろな感情の動き方があるのですが、そういった感情を動かすことのひとつとして、広告という選択肢がありました。

今でも同じことを考えてますね。人を感動させたい、心を動かしたい。
そこが僕の源泉で、今もやっていることですね。
カルチャーや言語を超越した面白さ、グローバルで通じる面白さを追求しなければならないということがインストールされましたね。
“グローバル”に目を向けるようになったきっかけはなんだったのでしょうか?
30代のはじめに外資系代理店(ビーコンコミュニケーションズ)に出向になり、8年ほど在籍していました。
それまでは、ずっと日本の代理店で、日本の市場に向けて広告を作るということをやっていて。たまたま出向の話があり、面白そうだなと。元々学生時代にバックパッカーをしていたこともあり、英語にアレルギーもなかったので出向を決めました。

いざ出向してみると、これまでとは全く違う光景が広がっていました。端的にいえば、当時外資系代理店では国際広告賞を取ってナンボだというのが当たり前だったんですよね。クリエイティブとしての最大目標が国際広告賞の獲得だったという。ここで頭の中を切り替えて、国際広告賞を目指すようになりました。
頭を切り替える、と言っても簡単で「どこの国の人が見ても心が動く、面白いと思う」というような、カルチャーや言語を超越した面白さ、グローバルで通じる面白さを追求しなければならないということがインストールされましたね。
この出向という体験は強烈で、これがグローバルに目を向けることになったきっかけですね。
いわゆるクリエイティビティが素敵なもの、かっこいいもの、というものから、問題解決する、世の中をよくするためのアイデアという方向に変わってきているのかなと思います。
これからの未来を面白くするために、必要な視点やとるべきアクションはなんなのでしょうか?
コロナ以前からインターネットというものはあって、動画をストリーミングで観るようになったり。映像や表現をみんなで一緒に観ることができるようになった。“バズる”ということが、全世界的に広がるようになったと思います。なので、日本のみならず世界にわかってもらえるようなものを作ると言うことが求められているのかな、と思うし、マーケットもグローバル化していますよね。世界で戦わないとやっていけない、というような。

そうなった時にクリエイティビティはどうなるかというと、ウェブサミットとか海外のテクノロジーカンファレンスも視察に行くと、広告も含めて クリエイティブそのものが変化していると感じます。20年前はみんなで笑えるものであればよかったのですが、今は全世界的に様々な社会問題があり、笑っているだけではすまないというか。いわゆるクリエイティビティが素敵なもの、かっこいいもの、というものから、問題解決する、世の中をよくするためのアイデアという方向に変わってきているのかなと思います。世の中をよくするためのイノベーティブなアイデアを語ろう、という空気にカンヌも変わってきていると感じます。

日本の中でも、単に面白いものを作るだけでなく、世の中をもっとよくしたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

未来を面白くするためにとるべきアクションということでいうと、海外で何が起きているかを無視していられない、日本も無関係ではないというのを感じていかなければと思います。

私自身、今後も地球の中の一人として色々なものを作り、人の心を動かしていけたらと思います。

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Writer's Comments

インタビュー中にクリエイティビティやアイデアの向く先が「世の中をもっと良くする」「社会課題の解決」になっているとお話いただきましたが、変化を多く迎えた世の中ではますますその流れが加速している、と改めて実感しました。
“クリエイティビティ”でイメージするものは、どのような環境に今身を置いているのかによって、人それぞれ異なるのかもしれません。ですが、「世の中をもっと良くするため」のアイデアや、工夫ということに基づいていれば、それは全て“クリエイティビティ”に当てはまることなのかもしれません。変に気負いせず、皆がクリエイティビティを発揮できる世の中になると良いですよね。
阿部さん、ありがとうございました!

Interviewer Profile

わたえり/渡部 瑛理果(Erika Watanabe)

Pivot Tokyo ゼネラルマネージャー
1992年生まれ、千葉県出身。通称 わたえり。上智大学経済学部を卒業後、2015年に博報堂入社。営業職として外資クライアントを中心に担当したのち、TBWA\HAKUHODOへ出向。コミュニケーション領域のプロジェクトマネジメントに従事。2020年7月より、Pivot Tokyo株式会社に所属。現在は、Pivot Tokyo 2020のメディア運営・コンテンツ制作をはじめ、グローバルコミュニティの日本誘致、企画運営を担う。

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