INTERVIEW

カウンシルインタビュー:真のグローバル人材とは? vol.1 / 株式会社コーセー 松原 徹 氏

日本人のグローバル化を加速する、日米交流コミュニティ「Ascendant Japan」。
そのCouncil Memberである株式会社コーセー 松原 徹 氏に、真のグローバル人材とはどのような人物か?を聞いた。

スピーカープロフィール

松原 徹

株式会社コーセー / 執行役員 デジタルマーケティング戦略部 部長
1989年ソニー株式会社に入社。ソニーグループ内でエレクトロニクス事業、音楽事業、インターネット事業、フェリカチップ事業などの幅広いビジネス領域を歴任。グローバルマーケティングコミュニケーション部門長として、世界のマーケティング会社のデジタル化を推進した。2019年9月に同社を退職。2019年11月に株式会社コーセーに入社し、デジタルマーケティング戦略部長に就任。DXプロジェクトを統率している。
すべては「世界に出て一旗あげてやろう」という気持ちが起点
どういった素養を持っている人がグローバル人材になれるのでしょうか?
まず、自分が「グローバル人材になりたい」と強く思うことです。日本に生まれて日本で育つと自然とグローバル人材になれるかというとそのような社会のシステムになっていないのが現実。よって業務に忙殺され、環境に流されて過ごしているとグローバル人材にならないままビジネスマンとして一生を終えます。そのような環境に抗ってでも自分はグローバル人材になりたいんだと思うことが最低限の条件だと思います。そう思えた人が初めてグローバル人材になる可能性が芽生えてくるのだと思います。

次に必要なのは最低1カ国での深い実務経験です。どこの国の実務も経験していないグローバルビジネスマンというのはあり得ません。その一国での深い実務経験の上にグローバルの視点を自分なりに持ている人がグローバル人材だと思います。

また、英語力が障壁になるケースは多々ありますが、私は10年以内にマスト条件ではなくなると考えています。同時通訳機能が、zoomや会議室などありとあらゆる所に出来て、例えば日本語のままでもトルコ語のままでもグローバルに出られる時代になっていくのではないかと思います。 しかし、ここ10年間はグローバル英語力は持っていた方が良いツールだと思います。

やはりすべては「世界に出て一旗あげてやろう」という気持ちが起点だと思います。
どうせやるならグローバルで仕事をした方が面白い
松原さんがグローバルを目指したきっかけを教えてください。
実は私は40歳半ばまでグローバルに出て行こうとは思っていなかったです。前職がグローバル化したソニーだったため、敢えてグローバルということを意識したことがなかったということも一因だと思います。

40代後半になってグローバルに転じたのは、どちらかと言うとやらざるを得ない環境になったからというのが正直なところです。あるグローバルプロジェクトに参加したことがきっかけです。そのプロジェクトで、日本人だけと日本市場だけに向けた仕事を日本語だけで進めていると、知らないことやナレッジレベルが低いと感じることが多く、どうせやるならグローバルで仕事をした方が面白いと思えるようになりました。

それが自分のキャリアの大きな転機となりました。実際、グローバルに自分のキャリアを広げたことは正解だったと確信を持っています。
willに突き動かされ、そのうえでshouldとcanが一致する部分を自発的に見つけていくという働き方
変化の多い時代、必要なマインドセットとはなんでしょうか?
組織の中において、日本は決裁や稟議と言われる承認を得る行為に大きな時間、エネルギーを割いています。それに対して例えば、アメリカのワークスタイルを見ていると、まず、willに突き動かされ、そのうえでshouldとcanが一致する部分を自発的に見つけていくという働き方をしているように感じます。

要は、ゴールが承認を得ることになっているのが日本、やりたといことを実現する手段として稟議を活用しているのがアメリカという風に見えます。もちろん アメリカ以外の国もそれぞれの働き方があります。日本の企業文化や日本の風土が存在するので個人のマインドセットにだけですぐに変えられるものではないのですが、個人を起点にした気づきや行動の変化が起点になる時代だと思います。

組織のカルチャーに囚われずに、自分が主体者となってアカウンタビリティを持って仕事を進めていくというのが大きなポイントとなってきます。変化の多い時代においては、日本のマーケター達がドライバーとなって企業や業界を変えられるチャンスがますます増えてきていると考えたいと思います。
発信すること=存在価値
ビジョンや考えを発信することの価値とはなんでしょうか?
発信すること=存在価値とも言えます。グローバルにおいても、日本においても、 組織の中においても、発信することが存在価値を高めていくと思います。

例えどんなに良いことをしていても発信しないと価値はゼロになってしまいます。日本企業の現状として、十分に優れた、100点満点で言うと80点くらいの事をやっているのですが、10%の部分しか発信していないので結果を周りから見ると8点、という風になっている。こうしてグローバルの競争環境において、発信下手な日本企業や日本人は負けてしまう。 発信することが自分の存在価値に繋がっていくのは個人でもチームでも企業としても同じだと思います。
グローバルで競争するには、日本企業も個人も発信上手になるノウハウを学んで実行していかなければいけない
どのような人が、発信が得意な人なのでしょうか?
個人では日本にもソーシャルメディアなどを上手に使っているマーケターの方もいらっしゃいますが、総じて日本人、日本企業は発信が苦手だと感じます。海外企業の発信は本当にパワフルで、やっていることの価値はあまり変わらなかったり、むしろ日本企業の方がより良いの事をやっていたりするのですが、それを相手に響くように上手に発信しています。

例えば、化粧品業界におけるサステナビリティの発信などは特に顕著にその傾向が現れています。グローバルで競争するには、日本企業も個人も発信上手になるノウハウを学んで実行していかなければいけないと思います。発信することに関してのEducationと learningが必要だと考えます。

あとがき

40代までグローバルを意識したことは無かった、という松原さんの話は、とても新鮮に聞こえました。これを大きく変える転機になるのは、やはり直接の経験価値が全てであり、そこからご自身のキャリアの舵きりを行った点も大変興味深かったです。
躊躇せずまず飛び込んで経験することにしか、新しい発見は無いのかもしれません。

インタビュアープロフィール

わたえり/渡部 瑛理果(Erika Watanabe)

Ascendant Japan 事務局長
1992年生まれ、千葉県出身。通称 わたえり。上智大学経済学部を卒業後、2015年に博報堂入社。営業職として外資クライアントを中心に担当したのち、TBWA\HAKUHODOへ出向。コミュニケーション領域のプロジェクトマネジメントに従事。2020年7月より、Pivot Tokyo株式会社に所属。現在は、Pivot Tokyo 2020のメディア運営・コンテンツ制作をはじめ、グローバルコミュニティの日本誘致、企画運営を担う。

アッセンダント・ジャパン:https://vueloo.us/ascendant_japan/

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