INTERVIEW

米国在住ママに聞く!米国教育のメリット

昨今、アジアでは子どもの海外留学が若年化しているそうです。GKでも、小学校でサマースクールや現地校を目指すお子さん、また中学校までには海外の学校へ、という希望を持つ親御さんも少なくありません。小学校での海外留学、移住は子どものみならず親のコミットも非常に重要です。今回は、米国西海岸でお子さん2人を育てていらっしゃる、並木さんに米国の教育事情を伺いました。

スピーカープロフィール

並木 真理子

慶應義塾幼稚舎から大学まで慶應に通う。大学卒業後は不動産会社に就職。宅地建物取引主任者として三年勤めた後、夫の仕事の関係でミシガンに転居。ミシガンではコミュニティカレッジでインテリアデザインの勉強をし、カリフォルニア に移住後、Real Estate Sales Personの資格をとり、現在リアルターとして働いている。2013年に男児、2015年に女児をアメリカで出産。
米国の現地校の良さはなんですか?
米国の教育では、発言する場を作っていると感じます。さらに、場を作るだけでなく、どんな意見でも先生達が褒めてくれるという環境があります。例えば、先生が「今日やったことで楽しかったことをシェアしましょう」というと、私の息子は論点が異なった回答をすることがあります。私はそんなことで手を挙げるなんて!と思ってしまいますし、日本の補習校でも「それは違うよね」という空気がありますが、現地校においては、どんな意見でも歓迎されるのに加え、皆の前で発言すること自体を評価する傾向があります。このような多様性を認める環境があるというのは、米国の教育の魅力だなと思います。人種、宗教、文化の異なる人の集まりのせいか、人と違う意見を肯定する雰囲気は、とても心地が良いです。
米国カリキュラムの特徴について教えてください。
コンピューターサイエンスに力を入れているのが特徴の一つです。私の息子の場合には、9月生まれだったのでTK(トランジショナル・キンダーガーテン)*1 に通ったのですが、4歳からコンピューターサイエンスの授業がありました。幼少期からコーディングのベーシックを学べる環境は恵まれていると感じます。音楽は学校によって異なりますが、高学年になると楽器を自分で選べるそうです。バイオリン、ビオラ、フルートなど7種くらいあり、それを選んで練習できます。
数学については、上級生のママに聞くと計算よりも文章問題に力を入れていて理論を大事にしているそうです。答えはひとつでなくて、答えを導く過程を重視するスタイルです。理論重視のメソッドは、メリット・デメリットがありますが、教育熱心な人は、インド式、公文、ロシア式などの塾に通わせて計算力を補う人が多いそうです。
英語の教え方も根本的に異なります。最初の2ー3年は徹底的にフォニックス*2を叩き込みますが、始めて2-3年経ってできるようになってきました。現地の人がいうに、フォニックスにも穴はあるそうですが、1年生の初めまではフォニックスの基礎をしっかり叩き込みます。スペルを覚えるのではなく、考える。息子は最初、スペルがめちゃくちゃだったので担任の先生に相談したら、親がスペルを直すのは逆効果で、自分自身で口で発音して、スペルを導き出す訓練を徹底させるよう言われました。ここから上級生になるにつれてスペリングを正されるようになるようです。

*1 TK(トランジショナル・キンダーガーテン):キンダーの前年に、一年間公立教育を受けられる制度。カリフォルニアの公立校ではかつて12月3日生まれ以降が学年の区切りでしたが、9月2日に変更されました。そのため、旧制度でキンダーに行く予定だった9月2日~12月2日生まれの子ども達に対して、キンダーより一つ下の学年が設置されました。
米国在住の現地ママとのコミュニケーションや教育方針について教えてください。
皆それぞれ自分なりの教育方針を持っている印象があります。他がしているから私もしなくては、という考えは少なく、良い情報はシェアするけれども、それぞれが思うベストを持っていて、それを貫いていると思います。例えば、自然に触れさせるスタイル、とにかく勉強を第一にするスタイル、アートを一番に考えるスタイルなど人それぞれです。ただ大学の受験戦争は日本よりシビアなので、子どもが大きくなればなるほど、親の情報戦争などが活発になってくるとは聞いています。そのためにも、例え自分の英語が未熟だと思っていても、他のママさんに積極的にコミュニケーションをとることの重要性は感じます。カルフォルニアは特に、アジア人の人口が多い地域なので、現地のママさんもネイティブではない英語に慣れています。初めての人にも、怯まず、積極的に話しかけることは、私も今最も心掛けていることです。
米国での子育てのメリット・大変なことはどんなことでしょうか?
米国での子育てのメリットとして、「英語力を培う」ことが第一に考えられがちかもしれませんが、それよりも、「多様性を認める環境での子育てができる」ということの方が私はメリットに感じています。語学はあくまでもコミュニケーションツールの一つでしかありません。もちろん、日本語だけでなく、英語を話せる方が、将来の幅は広がるかもしれません。しかし、こちらで活躍している方が、幼少期を海外で過ごしたネイティブの人かというとそういうわけではなく、逆に帰国子女の方が少なかったりします。英語というコミュニケーションツールを得たとしても、それをベースにその人が何をできるかが重要ではないかなと感じます。子ども達には、世間に敷かれたレールの上を歩むのではなく、自分の考えで人生を切り開いていってほしいなと思っています。
日本語教育はどのように行っていますか?
もともと周りの日本人ママ達から、在米生活が長いと、英語はできるようになるが、日本語ができなくなると聞いていました。そのため、子どもたちの日本語力を維持させなければという意識が強かったです。今は、現地の補習校に週2回通い、家庭では100%日本語を使っています。息子を本好きにするために、小さい頃から本を読む習慣付けをしてきました。その甲斐あって、家にいる間は常に本か漫画を読む習慣ができたことは良かったと思います。カタカナも、大好きな恐竜図鑑で勝手に覚えましたし、教えていない漢字もどんどん読めるようになっています。
小学生で留学を考える方へのメッセージをお願いします。
小学生のお子さんがコミュニティに慣れるかどうかは親次第だと思います。先生とコミュニケーションが取れるか、他の親とやり取りができるのか、といったことが子どもに影響するので、親のコミット、意欲がとても大事だと思います。それを覚悟の上で来ると、子どもも有意義な経験ができると思います。子どもの適応能力は高いので、最初は辛くても入れてしまえばなんとかやっていけます。それまでの過程として、他の親とコミュニケーションを取り、Play Date(学校外で子ども同士で遊ぶこと)をセッティングできるか。情報をもっていないことに対してのフォローはないので、受け身の姿勢ではなく自分から積極的に取り組む姿勢が大切だなと感じます。

あとがき

米国留学をする目的として語学力を第一に掲げる方が多い中、多様性や考え方を教えたいという並木さんの言葉がとても印象的でした。語学はツールと言われますが、そのツールを使って何をするか、何を学ぶのかということ考えることの重要さに改めて気付かされるインタビューでした。

インタビュアープロフィール

満木夏子

Pivot Tokyo / GKCors
Pivot Tokyo 主催。世界最大級のテクノロジーカンファレンス、ウェブサミット日本事務局の代表を務める。日本からグローバルに挑戦する人を増やすため、GKCorsという英語の幼児教室も運営している。

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