INTERVIEW

日本のスタートアップを活性化させるためのインターナショナル・コミュニティに迫る

日本では、特に東京を中心にスタートアップのコミュニティが増えてきています。テクノロジーに特化したものもあれば、サステナビリティや女性起業家に焦点を当てたものもあります。しかし、国際的なコミュニティはあまり多くはありません。今回のTTSファウンダーDimitriさんとのインタビューでは、日本のスタートアップエコシステムの問題点と、それを解決しようとしている方法を話してくれました。

スピーカープロフィール

Dimitri Akimura

Tokyo Tech Startups
Tokyo Tech Startups (TTS) is a group of entrepreneurs/engineers who have a strong interest in tech and startups. We share a common goal to grow Japan's tech/startup ecosystem and bring awareness to the growing startup culture in Japan, introducing the next wave of Japanese startups to the world.
Pivot Your Business: How to Build Effective Community
このコミュニティを始めたのはなぜですか?
Tokyo Tech Startupは、2016年に設立されました。このコミュニティを立ち上げた理由は、私がアメリカのシリコンバレーで起業し、いくつかのビジネスで失敗した後、その過程で学んだことを東京のテックコミュニティで共有したいと思ったからです。特に日本に来た外国人が自分のプロジェクトやビジネスを始めるために、投資家とつながり、才能のある人を見つけることができるような場所を作りたいと思っていました。
外国から来て日本でビジネスをする際の障壁、またそれをサポートするためにTTSではどのような取り組みをしていますか?
メンバーは6,000人で、急速に成長しています。なぜコミュニティが成長しているかというと、TTSは誰もが参加できる非常にオープンなコミュニティだからです。日本のスタートアップコミュニティはあまりインクルーシブではなく、外国人が入っていくのは本当に大変です。一般的に、日本以外の国の人が日本のシステムに入っていくのは、規制だけでなく、文化の違いやビジネスの進め方の違いなどから、なかなか難しいのが現状です。私たちのコミュニティは、企業がただピッチするだけではなく、ビジネスを構築するために適切なネットワークを見つけることができるように設計されています。外国人としてここ(日本)でビジネスをするのは本当に難しいですし、周りに知り合いがいなければビジネスをするのはほぼ不可能だと感じます。
コロナ状況下で多くの企業が影響を受けています。TTSコミュニティメンバーは、どのような課題を抱えていて、どのように助け合っているのか教えてください。
すべてのビジネスセクターがこのウイルスの影響を受けています。私たちは大企業だけでなくスタートアップも影響を受けているのを見てきました。新興企業の強みは、彼らが本当に速く変化に適応することができる点です。オフラインからオンラインにビジネスの進め方をシフトしていく企業をここ数か月で多く見てきました。これはテクノロジー分野のみならず、すべての分野で起こっています。TTSには、オンラインでビジネスを行うためのおすすめツールはないかなどといった質問が多く寄せられています。

一般的に、スタートアップがオンラインで仕事をするのに慣れているのは、もともとエンジニアなどが海外をベースにしていたりというグローバルな規模、かつ小規模なチームで仕事をしていることが多いという点があると思います。彼らにとっては、オンラインに移行してビジネスを行うことはさほど難しいことではありません。特定の業種はありませんが、コロナ禍でスタートアップは結構うまく対処できていた印象です。ただ、新規採用をするスタートアップは減ってきています。僕はこれは捉え方によってはチャンスだと考えています。大企業の人たちが解雇されていますが、そういった人たちはスタートアップがビジネスを成長させるために必要としている人であるケースも多いです。
どんなスタートアップがこの状況に上手く対処していますか?
私たちのコミュニティは基本的にエンジニアを中心に活動しているので、テックスタートアップの話をしますね。テック系スタートアップは一般的に変化に強いですが、それは、すでにリモートで物事を行い、グローバルな規模で仕事をしてきたからです。ほとんどの場合、世界中にチームメンバーがいるので、その点では、多くのテック企業にとっては、大企業との契約時に契約書に署名する必要があるということ以外には、あまり大きな変化はありません。大企業に至っても、今まで以上に直接の面会をせずに意思決定をしたいと思っている会社が増えていることもあり、スタートアップとの相性が良くなってきているという面もあります。

インタビュー動画

あとがき

自身の海外での起業経験を東京のスタートアップコミュニティに共有したいという思いでTokyo Tech Startupを作ったDimitriさん。インタビュー中には外国人が日本でスタートアップをする際の大変さ、日本のシステムについての課題等に触れる場面もありました。とても考えさせられる内容だったのでぜひ別途そのテーマについてもインタビューさせていただきたいなと思いました。

インタビュアープロフィール

Natsuko Mitsugi

Pivot Tokyo
Pivot Tokyo organiser。Japan Rep for Web Summit. To increase the number of global citizens and companies from Japan, she also runs GKCors, an early childhood education school in Tokyo, Japan.

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