INTERVIEW

ライフシフト:人生は一度きり。東京を離れ宮古島で船長に

「人生は一度きり。だからやりたいことをやったほうがいい」
よく聞くフレーズですが、実際そうやって生きている人は世界にどれほどいるでしょうか。今の生活が安定していればしているほど、それを手放してまでやりたいと思ったことをするのは難しいように思います。今回は、東京でIT系企業で経営陣を務めていたところから宮古島で船長になられた鈴木さんにお話を伺いました。

スピーカープロフィール

鈴木 一司

宮古島栄真丸の船長。マグロや大物狙いの遊漁船。ときどき尖閣諸島へ漁にも行く。東京でITやマーケの仕事してたが宮古島と釣りが好きで2012年に移住。
Pivot Your Life : You Only Live Once. Do What Makes You Happy
宮古島に移ろうとしたきっかけはなんですか?
生まれた時から釣りが好きで、大人になった時にさらに好きになりました。たまたま宮古島に釣りにに行く機会があったのですが、そこからマグロ釣りの虜になり、宮古島が好きになり、いつか宮古島に住みたいな思うようになりました。それを実行してしたというのが今です。タイミングでいうと、本気で移住しようと思ったのは、東日本大震災でした。東日本大震災のボランティアに参加し、そこであの惨状を見て、「やはり人生一度きり。やりたいことをやらなきゃいけないなぁ」と思いました。東京も格別嫌だったわけではないんですけども、やっぱり人が多かったり、複雑な人付き合いがあったり、仕事でのストレスも多かったですし、やっぱり自由なことしたいなと思い来てしまいました。
移住されて、想像していた点と実際のギャップはありませんでしたか?
田舎に住むときには、ある程度はその土地のことを知らないといけないですよね。人の付き合いだったりも含め。僕はよそ者扱いされるだろうなと思ってきましたが、やはりある程度はありました。それを知らずに来るとギャップと感じるかもしれませんが、僕は想定していたのでギャップとは感じませんでした。郷に入れば郷に従えというように。東京にいた際にはとある iIT企業の上層部にいましたが、宮古島に来て海人の仲間になり、いきなり新入社員になった感じみたいなのでありましたけど、僕はそれをギャップとは感じませんでした。
移住を考える際にどのようなことを考慮したら良いですか?
僕は、東京にいた時もアウトドアが好きで、秋には知り合いの農家の所に行って稲刈りしたり、冬はスキーをして遊んだりと東京から脱出することが多かったので、田舎に住むイメージというのは元々はついていたと思います。移住する際には、理想だけを追い求めないことが大切だと思います。旅行に行くっていうことと住むということにはかなり違いがあると思いますので、暮らせるかどうかのイメージができるかが意外と大事かなと思います。
移住してから船長さんになるまでの経緯を教えてください。
漁師のスタイルも色々あるのですが、僕は船を持って船で釣りをするのが趣味で、その延長で船長になりたいっていうのがありました。なので、まずは船を持たないとということで、移住してすぐは船を探しました。お金もなかったので、すぐ国庫に駆け込んで借り入れをして、船を買ってからは師匠みたいな人と一緒に航海をして勉強させてもらっていました。そこからは、ぶっつけ本番で自分の船で出始めて今に至ります。
コロナ感染者ゼロの宮古島。島民はこの状況どう考えているのでしょうか?
宮古島は、まだコロナ感染者が出ていません。島民の意見は二分しています。というのも、やはり宮古島は、観光からの所得が結構大きいのでそれが入らないやっぱり厳しいです。ダイビングやホテルなど観光業でお金を稼いでる人たちは、コロナに負けず是非遊びに来てくださいという意見が大半です。しかし、観光に関わっていない人は、やはりコロナは怖いものというイメージを持っている人が多く、東京や都心から来る人を敬遠するような感じもなくはないです。僕は、観光で来ているお客さんに、滞在中スーパーなどで島民と触れ合うことがあった時に嫌な顔をされることもあるかもしれませんが、残念に思えないでくださいねっていう話をしています。

インタビュー動画

あとがき

宮古島の美しい空と海を背景にインタビューさせていただきました。終始笑顔でインタビューを受けてくださった鈴木さん。その笑顔からは本当に自分がやりたいことをやっていて幸せを感じているのが伺えました。東京では子どもでも心から笑えることが少なくなっていると感じます。「人生一度きり。やりたいことをやったほうがいい」安定した職、今まで築いてきた地位や名誉をリセットしてまでやりたいことをやるのは難しいことです。ただ、その安定はこの先も保証されているものではありません。コロナで生活が一変し、今までの安定がこんなにも簡単に奪われてしまうということを実感した方も多いのではと思います。Tomorrow is always unknown. (明日は常に未知である)という言葉がありますが、これはコロナであってもなくても変わりません。移住や転職だけがライフシフトではありません。こんなときだからこそ、今まで自分の中にしまっていた人生でやりたいことを考えてみてはいかがでしょうか。

インタビュアープロフィール

満木 夏子

Pivot Tokyo
Pivot Tokyo 主催。日本からグローバルに挑戦する人を増やすため、GKCorsという英語の幼児教室も運営している。

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