INTERVIEW

日本の良さを世界に伝えるために WAmazingの挑戦

誰もが旅行先でその土地の一番を体験したい、と思うだろう。日本は言語違い、独特の文化で戸惑う訪日観光客も多い。「手の中の旅行エージェント」を目指す訪日外国人向けのサービルを展開するWAmazingは、日本の良さを世界に伝えるためのプラットフォーム。
コロナ以前は、インバウンド、訪日ターゲットというワードが飛び交い多くの企業やブランドが注力していた。コロナを機に状況は一転。インバウンドを売上の軸とする企業は大打撃を受けた。同社の代表を務める加藤氏は、インバウンドに特化したサービスは今後も成長する分野であると考え、現在コロナ後を見据えた新規事業を次々と構想している。そんな同士に、今後の展望について聞いてみた。

スピーカープロフィール

加藤史子

WAmazing株式会社代表取締役/CEO
慶應SFC卒業後、リクルートにてインターネットでの新規事業立ち上げに携わった後、観光産業と地域活性のR&D部門じゃらんリサーチセンターに異動。主席研究員として調査研究・事業開発に携わる。2016年7月、訪日外国人旅行者による消費を地方にもいきわたらせ、地域の活性化に資するプラットフォ-ムを立ち上げるべくWAmazing株式会社を創業。
会社紹介
 「 訪日外国人旅行者、所謂インバウンド旅行者向けに日本観光で必要なものを全てワンストップで提供し、スマホ上の旅行エージェントとして使える観光プラットフォームサービスを運営しています。訪日外国人旅行者の日本における消費は5つに分けることができます。具体的には、宿泊費用と交通費、飲食代金と買い物代、またアクティビティ等の娯楽サービス代です。この5つの情報提供をしつつ、予約ができたり購入ができたりするワンストップのプラットフォームサービスを作ろうとしています。それぞれの業界が非常に大きいので、飲食を除く4領域がちょうどコロナ禍が来る直前に立ち上がりました。 3年かけてようやくプラットフォームらしくなったのですが、WAmazingは最初は誰にも知られていないベンチャーのサービスですので、マーケティングのためにSIMカード(通信チップ)を外国人旅行者に無料配布するというところからスタートしました。今では日本全国22カ所の国際空港に無料のSIMカードがもらえるベンディングマシーンを置いています。これはWAmazingのアプリをインストールして会員登録をすると無料でSIMカードがもらえるというものです。サービス開始が2017年2月で、香港台湾をメインターゲットに開始し、コロナ前までの2020年1月末までには33万人の利用者がいました。」
コロナの影響と対策
 「2020年の2月、3月はかなりキャンセルが増えてしまい、特に2月14日に日本の政府で言うところの厚生労働省のような台湾の機関が、日本への渡航に対して最大3レベルの注意喚起をレベル1で出しました。この辺りから我々のメインのお客さんである台湾そして香港のキャンセルが一気に増加してしまいました。3月末には予約がほぼ0になってしまいました。2020年4月の売上は、同年1月の売上と比べて98%ダウンという状況でした。国内旅行市場はGoToトラベルキャンペーン等もあり、若干コロナがおさまった秋に復活したような傾向があったのですが、インバウンド旅行者に関してはもう1年以上0が続いている状況なので、先ほど申し上げたプラットフォームサービスは2020年5月1日から一時休止という判断をしています。再度来訪者が増えて、国際交流が再開したらサービスも再開というアナウンスをしております。これによって浮いた稼働で新しい事業をやろうということで、社員の半数が外国人なので彼らの言語能力を活かした翻訳事業、また行政や自治体向けのコンサルティング事業を新たに立ち上げました。リストラは絶対にしないと決めていたので、徹底的なコストダウンと資金調達、短期的に売上がつくれる事業の考案、この3つを全方位でやっていくという状態でした。」
日本の可能性
「日本は、何よりも観光資源が非常に豊富で、多様性が高い自然資源に恵まれていると思います。世界の山岳率(山の割合)は3割なのですが、日本は7割なので高低差がある分、植生が全部違います。そうなると山の幸、里の幸、海の幸があって全部採れるものが違い、更には四季があって南北に細長い火山列島なので、その組み合わせによる食という観光資源は世界一だと思います。 更にはアジアの中でも少しはずれた日本の位置や、独立しているユニークネスなモノカルチャー等、その非日常性は観光においては優位です。中にいる我々はガラパゴス化して気付かなくても、外から見ると非常に面白いというのが強みです。」
今後のインバウンド事業の需要と注目市場
 「今、訪日客の中では一番近い東アジア地域が多くを占めています。次にメインになってくるのが、人口14億のうちパスポート持ってる人が1割以下しかいないという、まだまだポテンシャルの高い中国本土です。そしてその次に、最も世界において経済成長率の高い東南アジアです。経済成長において有形商材である物の消費の次に、無形商材が売れる流れがあります。その無形商品の王様とも言えるのが海外旅行になるので、今後は中国の準一級都市や二級都市、また、タイやインドネシア、マレーシア等の東南アジアからのインバウンド旅行者が増えていくと考えております。」 

あとがき

「日本の良さを世界に伝えたい」こう思う人は多くいると思うのですが、なかなかそれをビジネスを通して実現できる人は多くいないと思います。数年前にお会いしたときから物事を前進させる力のある方だなと思っていましたが、今回インタビューさせていただき色々お話を伺えて私自身もとても勉強になりました。またぜひお話伺いたいなと思います。加藤様ありがとうございました!

インタビュアープロフィール

満木夏子

Pivot Tokyo
Pivot Tokyo 主催。世界最大級のテクノロジーカンファレンス、ウェブサミット日本事務局の代表を務める。日本からグローバルに挑戦する人を増やすため、GKCorsという英語の幼児教室も運営している。

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