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【アッセンダント・ジャパンシリーズ】CMOの本来の在り方とは:Caren Fleit / Korn Ferry

CEOの他、CMOやCFO、CTOなど “Chief XX Officer” の役職が日本でもメジャーになりつつある中、その役割やアカウンタビリティの及ぶ範囲は企業により異なることだろう。特に “Chief Marketing Officer”という役職は、CEOに次いでよく知られる立場だろうが、狭義のマーケティング(宣伝活動、企業コミュニケーション)の域を超えて求められる要素が多い。今回、3月に開催されるアッセンダント・ジャパンにも米国から登壇する Korn Ferryのマネージングディレクター、Caren Fleit氏の過去記事より、「CMOの本来の在り方」について紹介する。

そもそも“CMO”とは

Chief Marketing Officer = 最高マーケティング責任者。主にマーケティングに関わる現場を取りまとめ、戦略を立案、具体的に実行する役割を担う。日本ではCMOという役職自体を設定している企業はまだ少なく、時価総額上位300社で0.3%である。これに対し、米国ではFortune500社で62%とその圧倒的な差に驚く方も少なくないのではないだろうか。(出展:平成26年 経済産業省 商務情報政策局「ビジネスモデル革新について」)

米国におけるC-suiteの女性比率

日本ではC-suiteの配置比率もまだ伸びしろがあるのが現状だが、女性比率という観点では米国の現状はどうだろうか。Korn Ferryが公開した調査データによると、C-suite全体の平均よしては25%前後を記録し、CMOでは他のC-suiteにおける比率より高い数字を記録している。日本では女性管理職比率ですら、11.8%にとどまり(2019年時点)、この点においては米国より大きくビハインドしていることが分かる。

“CMO”という役職が登場した90年代と、2010年以降のCMOに求められるものの違いとは。

今回、スピーカーとして登壇予定のCalen Fleit氏が執筆した記事から、CMOの在り方の一節を紹介したい。

CMOという役職がタイトルとして使われるようになった1990年代、ヘルスケアやテクノロジー領域の業界では、より広い意味でのマーケティング機能が登場し、B2Bマーケターという存在も登場した。より戦略的な責任として、ブランドをどう位置付けるか、セグメンテーション、事業成長のためのポートフォリオ構築に加え、展示会の運営や、パンフレットなの説明資料の作成など、戦術的な責任の二つのあいだでバランスをとることが徐々に難しくなり、「マーケティングリーダー」の在り方が揺らぎ始めたのが、1990年代ともいえる。

一方で、2010年代以降はどうだろうか?ビッグデータや、AIが躍進する今、マーケティングの担当者は以前と比較にならない程、膨大な量の情報と向き合わなくてはならなくなった。ただ単に商品そのものを伝えることや売るというシンプルなマーケティング活動から、顧客とのエンゲージメントや対話、パーソナライズされたコミュニケーションや商品へ、その活動の焦点は移ってきている。

CMOに求められるものは、鋭い洞察力をビジネス課題の解決に活かし、膨大なデータから適切なものを選び、意思決定に反映することになってきた。マーケティング活動自体、縦割りではなく、メディアや収益チャネルを横断した複雑なものになってきているからだ。特に、この複雑化したマーケティング活動の中で、企業内組織を横断して取りまとめる力こそが、CMOに求められるものになってきている。むしろ、CMOが監督する領域があまりに広く、“Marketing”の言葉には収まりきらなくなっており、結果としてChief Customer Officer, Chief Customer Experience Officer, Chief Growth Officerなど、その呼称も多岐に渡り始めているのが、今の時代だ。
(元記事:https://www.kornferry.com/insights/articles/the-evolution-of-the-cmo

2021年3月29日から開催される、アッセンダント・ジャパンでは同氏のセッションも公開される。“The Post-COVID CMO”と題されたセッションでは、世界的パンデミック以降、大きく影響を受けたビジネス環境において、CMOはどう在るべきかを語る。今もっとも新しいCMOの定義を知るにはうってつけのセッションだ。

【アッセンダント・ジャパン】
米国のアッセンダント・ネットワークを前身とする招待制のエグゼクティブコミュニティ。2021年に日本に上陸。3月にローンチイベントを開催する。日本版には、企業のエグゼクティブ、次世代のエグゼクティブがメンバーとして在籍し、米国コミュニティとも連携をとりながら、企業と個人のグローバル対応力の強化、スキル向上を図る。

【3月ローンチイベントについて】
日程:2021年3月29日~
開催方法:オンライン
参加者:企業のエグゼクティブ、次世代エグゼクティブ候補者
テーマ:The Great Reset & The Acceleration
セッションカテゴリー:People & Organization/Career/Sustainability/Technology with Purpose/Global Challenge

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