「日本から世界へ」
これを実現したいと思っているスタートアップはたくさんいるかと思います。
実際に挑戦するときに、信頼できるパートナーがいることはとても重要です。
今回は、日本国内のみならずグローバルに拠点をもつPlug and Play JapanでCMOを務める藤本さんにお話を伺いました。これまで週百社以上のスタートアップをみてきた藤本さんが思うスタートアップの今とこれから。
“Pivot Your Business : Opportunity is Everywhere”
業界問わずチャンスをつかむ姿勢
今スタートアップのみならず多くの企業が変革を迫られています。一部の企業や業界が秀でているのか。それとも業界を問わずチャンスを掴もうとする企業が存続しているのでしょうか。
「ここがという業界は正直ありませんが、面白いなと思っているのは既存のビジネスをどうやってピボットしていくのかと模索していたり、この時間を使って開発のスピードを早めたりしている企業は多いなと感じます。業界を問わず、世界が直面している境地にしっかりと自分達も立ち向かってその先の未来をつくっていくかという取り組みをしている企業が増えていると感じます。」
では、そのような企業は具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。
「日本の企業も様々な取り組みをしています。日本だと在宅ワークに向けたソリューションが増えているのは特徴だと思います。海外だと自動車メーカーと機器を作っている会社が人口呼吸器を作ったりするなど、既存のビジネスを応用する企業が増えていると思います。」
“Pivot Your Business : Be Sustainable”
持続可能なビジネスとは
昨今、国内外で話題となることが多い”Sustainability (サステイナビリティ)”。環境問題のみならず、企業としてのビジネスの持続性などをはかる言葉としても使われています。この新型コロナウイルスの影響を受け、企業のサステイナビリティがさらに注目されています。国内の状況はどうなのでしょうか。
「サステナビリティの定義はたくさんあると思います。ひとつは環境のサステナビリティ、もう一つは事業のサステイナビリティ。日本の場合はもともと中小企業の数が多く、100年以上続いている企業が多いのが特徴だと思います。そういった意味では、事業のサステイナビリティ、社会と企業が協力して持続可能な仕組みを作っていくという特徴があると思います。シリコンバレー式のとにかく速くたくさん利益を出すというスタイルとは異なり、利益も重要視しながらも地域貢献や社会貢献をしながら持続可能な企業、社会を創り上げていくことを目指す企業がここ最近増えていると感じます。」
“Pivot Your Business : What to Do Now”
今取り組んでいること、今やったほうがいいこと
今回の新型コロナウイルスの影響もあり、今まで以上に企業の変革が求められています。この状況下でどんな取り組みをしていけばよいのでしょうか。
「現在、Plug and Play としては世界に30か所以上ある拠点を活かし、グローバルにコラボレーションするという取り組みが増えています。シリコンバレー、APACが開催するイベントなどで積極的に日本からのスタートアップを参加を促しています。普段だと海外のイベントは、飛行機で現地まで行かないといけないところですが、ウェビナーを活用することで海外のイベントに参加しやすくなっている現状があります。」
国内だけでなく、海外のイベントへも精力的に参加されている藤本さん。このイベントが軒並み中止、オンラインに移行する中でどのように海外イベントを利用しているのか伺いました。
「今とてもチャンスだと思っています。インプットには最適なタイミングだと思います。というのも、通常海外カンファレンスに参加するとなると1週間くらいかけていかなくてはならないものが、海外に行かずとも自宅から参加できます。これまでオンライン開催をしていなかったようなところがやっていたりと、海外で今起きていることをインプットするタイミングとしてはとてもいいと思っています。海外のピッチ等も意外と日本にいるとみる機会が少ないです。こういうことを話しているんだ、というのを実際に見ることができる良いチャンスだと思っています。」
プロフィール
スピーカー
藤本あゆみ | Plug and Play, CMO
2002年キャリアデザインセンター入社。入社3年目に当時唯一の女性マネージャーに最年少で就任。2007年4月グーグルに転職。代理店渉外職を経て営業マネージャー、人材業界担当統括部長を歴任。「Women Will Project」のパートナー担当を経て、同社退社後2016年5月、一般社団法人at Will Workを設立。その後株式会社お金のデザインを経てPlug and Play Japan株式会社にてマーケティング/PRを担当。
インタビュアー
満木 夏子 (Pivot Tokyo)
Pivot Tokyo 主催。世界最大級のテクノロジーカンファレンス、ウェブサミット日本事務局の代表を務める。日本からグローバルに挑戦する人を増やすため、GKCorsという英語の幼児教室も運営している。
インタビュアーあとがき
いつも本当に様々なプログラムに取り組んでいらっしゃる藤本さん。国内外を問わず、いい!と思ったものにはトライする姿勢がとても素敵な方です。日本から世界へ挑戦するスタートアップが増えるには、それをサポートする役割を担う人も必要です。藤本さんのような思いがある方が日本から世界へ羽ばたくスタートアップをさらに増やしてくれるのだと思います。