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「日本から世界へ」歯科矯正を広め人々の健康を守るスタートアップDRIPS

「日本から世界へ」
これを実現したいと思っているスタートアップはたくさんいるかと思います。
人々の健康。これは日本のみならず世界中の人が願うことです。既存の知識と新しい技術を組み合わせどのように発展させるのか。
今回は、歯科矯正のサービスを提供するDRIPS代表取締役の各務さんにお話を伺いました。

“Pivot Your Business : Pivot Your Career”
経験を活かして新しいことをする

元々は救急の医師であった各務氏。同氏が医師からスタートアップ起業へと至った理由とは。

「元々は、救急の医師をしていました。そこでは肺炎になって亡くなる方が多く見てきました。肺炎の原因のひとつは、口腔内の環境が悪いということがあげられます。口の中の菌が肺の中に落ちていってしまって、肺炎が悪化してしまうというケースが多くありました。エビデンスなどでも、口腔内の環境が悪いと死亡率が高まるというデータがあり、それをみてもう少し口腔内から寿命や健康についてアプローチできないだろうかと思っていました。また、1人1人の患者さんに個別にアプローチしていくのもよかったのですが、もっとマスにアプローチして多くの人に影響を与える方法で予防を広めたいと思いこの事業をはじめることにしました。」

“Pivot Your Business : Know Your Market”
海外のものをうまくローカライズする

医療の世界でオンラインを活用すること自体は、すでに海外でも事例があります。歯科矯正などを例にとっても、アメリカなどではオンラインサービスが多く存在し、患者の選択肢も多いです。どの業界においても、海外のサービスを持ってくる場合にはローカライズが必要とされます。医療の分野においては、規制等もあり他のサービスと比較してもそのまま持ってくることには課題が多くあります。

「海外との違いは、ユーザーと法律の違いです。アメリカでは、新しいサービスが出るととりあえず使ってみようという前向きな人が多いですが、日本の場合には失敗が怖いという気持ちが前提にあります。医療機関は絶対の安心の場であり、安定して高レベルな医療を提供してくれる場所というイメージがあるので、そのクオリティを担保するというのは大切なことだと思いました。法律面でいうと、これまではオンライン診療が制限されていました。その中でどのようにしてユーザーと医療従事者のコミュニケーションをとっていくかということが課題でした。今回のコロナの影響で、少し緩和された部分があり、遠隔に住む方への診療も可能になりました。」

“Pivot Your Business : for the Customer”
今だからこそできる顧客にとっての障害を減らすための変革

新型コロナウイルスの影響で、医療現場にも変化が。ドイツなどでも遠隔での診察が積極的に行われたりするなど、人との接触を最小限にするために様々な工夫がなされています。一方で、オンラインでの課題も存在します。

「オンライン診療の緩和によって、弊社のサービスを遠くに住んでいらっしゃるユーザーの方に受けていただくことが可能になりました。また、オンライン診療の専門ツール会社が多く存在しており、これまでは業界全体でも、オンライン診療は専門ツールを使ってやるというイメージもありました。それが、これを機に特別なシステムを使わずともZoomやLINEでオンライン診療が可能ということが広く認知されたことはプラスだと思っています。一方でオンライン診療の課題を感じる声もあります。オンライン診療は開業されている方が導入されるパターンが多いですが、それがクリニックの経営に意味があるのかという点を考える方もいらっしゃいます。」

プロフィール

スピーカー
各務康貴 | 株式会社DRIPS 代表取締役
大分大学医学部卒業。クイーンズランド大学にて研究。医師として救急医療や在宅医療に携わり、その後電通コンサルティングにて中長期戦略策定・新規事業開発・ブランディング戦略などに従事。2019年に株式会社DRIPSを創業。

インタビュアー
満木 夏子 (Pivot Tokyo)
Pivot Tokyo 主催。世界最大級のテクノロジーカンファレンス、ウェブサミット日本事務局の代表を務める。日本からグローバルに挑戦する人を増やすため、GKCorsという英語の幼児教室も運営している。

インタビュアーあとがき

一見クールな方ですが、インタビュー中のお話にとても強い思いを感じました。なぜ医師を辞めて歯科矯正のサービスを提供する企業を立ち上げたのか。そこには各務さんがこれまで医師として働く中で見えた課題を解決したい、という思いがありました。なかなか医療関係の方でキャリアを変える方はあまりいらっしゃらない中で「死にはしないから、違和感を感じたら突っ込んでみてほしい」医師である各務さんがおっしゃるとさらに強く響きますね。こういった方が日本の未来を明るくしてくれるのだと思います。各務さんとのインタビューは、100BANCHの加藤さんにご紹介いただき実現しました。加藤さん、ありがとうございました!

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